機能的口腔ケア
口腔ケアは、目的によって2つに分かれています。
その1つが、食べる、話すなどの口の機能に関わる「機能的口腔ケア」です。
「機能的口腔ケア」とは、口腔機能(笑う・話す・食べる・表情を表すなど)を維持したり、さらに機能を増進させることが目的の「口腔ケア」です。
特に「機能的口腔ケア」は、口腔のリハビリテーション的な意味もありますので、今後の介護予防としても注目されてきています。
その方法としては、舌を動かす「舌体操」をしたり、舌だけでなく、顔の筋肉を動かす「顔面体操」をしたり、口の中、まわり(唾液腺)をマッサージしたり、口や顔の筋肉を積極的に動かす事によって、唾液の分泌が促進され咀嚼、嚥下、発音などの機能の衰えを防止します。
また、こういった、口腔ケアを行うことで、脳への適度な刺激をもたらし、顔の表情も豊かになります。顔の表情が豊かになる、ものをおいしく食べられる、正しく言葉を発せられる、このようなことは口腔機能の改善だけでなく全身のリハビリにもつながります。
舌体操
筋肉の塊である舌を動かせば、口周りの筋肉のトレーニングになります。口を大きく開けて舌を突き出したり、舌を上あごにつけたり、横に動かしたりするなどして、しっかり舌を動かします。
舌にがんができる「舌癌」を患っている人などは病状が進行してしまうと舌を全部取らなくてはいけない場合も出てきます。
歯がなくても食事はできますが、舌がなくなると食べ物を奥に運んだりする動きができなくなり、口からの食事ができなくなります。口というと歯を1番に思い付きますが、舌や唇までを含めて全てが重要な役割をしているのです。
顔面体操
口を大きく開けたり、横に開いたり、小さくすぼめたり、いろいろな表情をしながら、顔の筋肉を動かします。ご自身でうまく動かせない場合は、頬や口の周りをマッサージしてもらい顔の筋肉を動かすようにします。
唾液腺
唾液腺のマッサージは、唾液の分泌を促すことが目的です。唾液は、口の中の乾燥を防ぎ、歯周病などの予防につながります。高齢になると唾液が出にくくなり口が渇きやすくなりますので、特に注意して刺激をしてあげるとよいでしょう。
そして、もう一つが、「器質的口腔ケア」です。この2つを組み合わせて「口腔ケア」と広い意味で使われています。