口腔機能の低下
噛む(咀嚼する)ことができなくなると、心までも廃用してしまいます。
口腔機能が低下すことは、同時に脳神経系機能、消化器系機能、呼吸器系機能の低下を意味します。
「噛めない」「味がわからない」「食形態や食感がわからない」という状態は、「食べる意欲」や「精神的満足度」の喪失になり、遂には低栄養化や脱水、或いは腸管免疫細胞生産能の低下に陥ることで、免疫力や自然治癒力の低下を招き、「健康寿命」の被害が生じてきます。
お口の機能低下によって「噛めない」ことを実感すると、さらに軟らかい食事をとるようになり、そのことでさらなる口腔機能低下を引き起こします。このようなことが繰り返されると、意欲や食欲等に低下が生じることで、食材や栄養素の摂取に偏りがみられることになり、免疫能や自然治癒力の低下に繋がることになります。
また、口腔機能が低下してくると、構音や発語障害が生じることで会話もしづらくなるため、他人と話したりすることが嫌になったり、避けてしまうことに繋がり、遂には言語コミュニケーションが旨くとれなくなってしまいます。
このように、人に会わない、外に出ない、引きこもりがち、という不活発な生活が長く続くと、体力とともに気力や精神力等脳機能も衰えてくることになり、「生活機能や生活の質」の低下に繋がることになります。
このように「口腔機能低下」は、「身体的」だけでなく「精神的」にも侵されることになるため、介護予防や認知症予防を視野に入れた「口腔機能維持・向上」に努める必要があるといわれています。